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【書評】ジャーナリスト・櫻井よしこが読む『日本が戦ってくれて感謝しています2』井上和彦著

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【書評】
ジャーナリスト・櫻井よしこが読む『日本が戦ってくれて感謝しています2』井上和彦著

「日本が戦ってくれて感謝しています2」

 □『日本が戦ってくれて感謝しています2 あの戦争で日本人が尊敬された理由』 

思い込みを次々と打ち砕く

 井上和彦氏の書を深い感慨をもって読んだ。大東亜戦争で敗れ、占領下で刷り込まれた「悪しき軍国主義」「許されざる日本の犯罪」というイメージとは程遠い、真摯(しんし)でひた向きな日本国と日本人の姿が紹介されている。

 たった一度敗戦しただけで、まるで背骨を打ち砕かれたかのように、それ以前の近代化の過程における日本国と国民の努力や成功の物語りを記憶の彼方(かなた)に封印してきた私たちに、これでもかこれでもかと、井上氏は語りかける。

 これが日本の本当の姿だ。行為だ。世界の人々の胸深く、立派な日本人として記憶されているのが、われらの祖先だ。先人たちは武士道を生きた人々だったと、井上氏は具体的事例を重ねて熱く迫る。

 氏は、序章で地中海に浮かぶマルタ共和国カルカーラの戦没者墓地に私たちを誘う。第一次世界大戦で命を落とした日本の軍人たちが眠る墓地である。地中海を舞台にした彼らの果敢、沈着な行動は、涙と興奮なしには読めない。

 それが第一章以下におさめられた大東亜戦争の実相に重なる。ここで井上氏はアジア諸国で命を賭して戦った先人の想いが現代アジアにどう引き継がれ、慕われ敬われているかを丁寧に描いた。

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