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【解答乱麻】いじめの温床を醸成せぬ教育 バッカーズ寺子屋塾長・木村貴志

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【解答乱麻】
いじめの温床を醸成せぬ教育 バッカーズ寺子屋塾長・木村貴志

 戦いの物語にしても、武勇と正義に胸躍らせつつも、敗者の心の痛みや哀(かな)しみにも思いを致すことが大切だ。人間の心の複雑な動きを感じ取る体験が子供の心と人格とを育む。このような教育を失ったから、私たちの社会は「まごころ」や「思いやり」を失い、甚だしきは激情に駆られ、親殺し子殺しをする禽獣(きんじゅう)の如(ごと)き者をも生み出した。

 もう一つ欠けているのは、「尚武の気風」だ。戦後70年にわたって「武」を尊ぶことは非難されてきた。国家権力は悪だと指弾され、警察も自衛隊も正義の「力」の行使ができず萎縮した。学校も同じだ。何かもめ事を起こせば喧嘩(けんか)両成敗の名の下に正義は葬り去られる。道義や弱き者を守るために闘っても、非難されるだけなら、教師も生徒も見て見ぬふりをするのが得策だ。中学生にもなれば腕力もついてくる。教育の場であれ何であれ「力」を制するためには、同等以上の「力」が必要であり、「力」を使わずに抑止するには、強い「気迫」や「胆力」が必要だ。それらなくしていじめられている子供を守ることなどできはしない。

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