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【日本の議論】育休を取ると上の子が保育園を退園させられるのは理不尽じゃない? 所沢市相手取り大弁護団結成 全国に波及も…

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【日本の議論】
育休を取ると上の子が保育園を退園させられるのは理不尽じゃない? 所沢市相手取り大弁護団結成 全国に波及も…

埼玉県所沢市の「育休退園問題」で提訴し、会見する保護者と弁護士ら=6月25日、東京・霞が関の厚労省(寺河内美奈撮影)

 同市の育休対処問題は、平成12年にさかのぼる。その際も待機児童対策のため「2歳児以下は退園」という方針が市から打ち出させたが、保護者らの要望を受け撤回された。その後は保護者の希望により、育休中も在園を継続できたため、今回、原告となった保護者にとっては寝耳の水の出来事だったようだ。

 11人の原告の1人で、今年5月に次男を出産し、2歳児クラスの長男が7月末に退園決定を受ける可能性がある女性(37)によると、出産間近の4月。保育園を通じて通知が届いた。

 「7歳の長女は小学校に入学したばかりで落ち着かない。長男は保育園に通えるものとばかり思っていた。あまりに突然で市は子供のことも、親のことも考えていない」と憤る。

 これには、「待機児童対策のために育休中は退園」に賛成する東京未来大こども心理学部の小谷博子准教授(育児工学)も「あまりに急すぎる」と批判する。「現実問題として、出産後2カ月で体調も十分回復していない時期に、生まれたばかりの乳児と1、2歳の子供を育てるのは大変な苦労がある。子育てには事前の準備や心構えが必要。少なくとも1年かけて、しっかりと認知をするか、今年度入園の園児からを対象にするなど、もっと時間をかけるべきだった」と話す。

 恵泉女学園大の大日向雅美教授(心理女性学)は「子供には父親や祖父母、保育士など、さまざまな人の愛情も必要。母親だけに子育てを押しつけるのでは育児疲れや虐待などにつながる恐れもある。親が喜びをもって子供の成長に関わることができるために、個々の家庭に合わせた子育て支援が大切。急な退園や再入園は、子供にとって大きな環境の変化で、子供を不安にさせてしまう。上の子を安定した環境で保育することや、産後の母親の育児疲れがたまらないようにケアする視点も大事にしてほしい」と注文を付けている。

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