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【中高生のための国民の憲法講座 第100講】憲法改正に向けての課題は? 百地章先生

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【中高生のための国民の憲法講座 第100講】
憲法改正に向けての課題は? 百地章先生

 国民の憲法講座もとうとう最終回を迎えました。「中高生のため」を「中高年のため」と勘違いした方もいらっしゃったようですが、熱心にご愛読くださった皆さんに心からお礼を申し上げます。

 ◆ドイツの改憲に倣う

 月刊『明日への選択』6月号で、小坂実氏が戦後西ドイツにおける憲法改正の歩みについて論じています。その中で、ドイツが初代首相アデナウアーのリーダーシップのもとに、占領の早期終結と主権の回復のため憲法を改正し、憲法制定後わずか7年の1956年に本格的な「軍隊」を保持したこと、さらに1968年には「緊急権(緊急事態条項)」を導入することに成功したことが紹介されています(「ドイツ改憲史が示す『護憲』と『改憲』をめぐる逆説」)。

 実は、筆者の大学院時代の研究テーマが西ドイツの緊急権でしたので、非常に興味深く読みました。

 日本国憲法と同様、戦後作られたドイツ憲法はこれまでに59回改正されています。

 もちろん、同じ敗戦国といっても、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺が行われたドイツと、日本とでは、戦後補償問題を例にしても事情が大きく異なります。日本は戦後、講和条約を結び、戦勝国に対して賠償責任を果たしてきましたが、ドイツは講和条約を結んでいません。

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