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【私のふるさと】マラソン人生の下地作ってくれた 高橋尚子さん

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【私のふるさと】
マラソン人生の下地作ってくれた 高橋尚子さん

 5分も行けば山の中という環境で、自然と戯れて育ちました。本格的に陸上を始めたのは中学に上がってからですが、小さい頃いつも山の中を駆け回っていたことが、マラソンの良い下地になったと思います。

 両親が小学校の先生で、休日になると父の教え子が遊びに来るんです。皆でよくやったのが「春見つけ」。山に行き、図鑑を広げて食べられる植物かどうか調べます。ゼンマイやワラビ、タラの芽などを家に持ち帰ると、母が料理してくれました。他には、オタマジャクシやザリガニを捕まえたり。日曜日は野外学習の日でしたね。

 大会長を務めているマラソン大会の関係で年に数回は岐阜に帰ります。昔に比べると、街の様子はだいぶ変わりました。山の一部は道路になり、ザリガニを捕った田んぼはもうありません。でも、一番変わったのは、ランニング人口が増えたこと。高校時代に走っていた長良川沿いの道「高橋尚子ロード」は、今や休日になるとランナーであふれかえっています。

 大阪の大学に進学し、卒業後は地元で教職に就こうと思いましたが、陸上を続ける道を選びました。オリンピックで金メダルを取り、人生は大きく変わりました。先生にはなりませんでしたが、今の仕事も「何かを伝える」という意味では同じ。全国の中学校を回って陸上の指導をするなど、より多くの人に自分の体験を伝えられているのかなと思います。

 今は仕事の都合上、関東に住んでいますが、岐阜はそのままの私を受け入れてくれる場所。いつ帰っても、同級生たちとの変わらない関係があります。中学時代の友達と下呂温泉に入っておしゃべりするひと時は、私にとっては土の上を走ることと同じくらい、大事なリフレッシュ法です。

                   ◇ 

【プロフィル】高橋尚子

 たかはし・なおこ シドニーオリンピック女子マラソン金メダリスト。大会長を務める「ぎふ清流ハーフマラソン」は国内有数の大会に成長。「故郷への恩返しとして、できるだけ長く続けたい」

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