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【中高生のための国民の憲法講座第94講】現実離れの議論生む9条の制約 奥村文男先生

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【中高生のための国民の憲法講座第94講】
現実離れの議論生む9条の制約 奥村文男先生

 他方、産経案では、15条に「日本国は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国が締結した条約および確立された国際法規に従って、国際紛争の平和的解決に努める」と定め、16条で国の独立等、国民の保護、国際平和への寄与のための軍の保持を明記しています。両者の基本的視点は共通ですが、自民党草案は、現9条1項を踏襲した上で、自衛権の発動を認めるとする点で、回りくどい表現が気になります。この点では、産経案の方がより簡明です。両案が、軍人等の犯罪を裁くための軍事審判所や軍事裁判所の設置を定めている点も共通です。いずれにせよ、両案が自衛隊に対する憲法上の位置づけや役割を明確にしている点が重要です。与野党は改憲対象として、緊急事態条項等の新設を考えておりますが、やはり9条改正こそ真っ先に取り組まなければならない緊急の課題です。

                  

 ■自民党の憲法改正草案

 第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。

 2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

 第9条の2 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。

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