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【中高生のための国民の憲法講座第92講】憲法9条を読んで湧く疑問 奥村文男先生 

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【中高生のための国民の憲法講座第92講】
憲法9条を読んで湧く疑問 奥村文男先生 

 (3)交戦権の意味について

 9条2項の交戦権の解釈も分かれており、これを「国家が戦争を行う権利」とする説と、「国際法上、交戦者に認められる権利」(例えば、中立国船舶を臨検、捕拿(だほ)する権利等)とする説に分かれますが、丙説に立てば、後者の説を採ることになります。政府見解も、自衛権の行使としての武力行使は当然に認められるとしております。ただ、政府見解は自衛のための実力の行使は交戦権の行使とは別のものとする点で分かりづらいものになっています。

                   

 砂川事件は、昭和32年、東京都砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対し基地に侵入したデモ隊が日米安全保障条約の刑事特別法違反で起訴された事件をめぐり日米安保条約と米軍駐留の合憲性が争われた。最高裁は自衛権行使は可能との判断を示した。

 長沼(長沼ナイキ)事件は、北海道長沼町で昭和44年、航空自衛隊の地対空ミサイル(ナイキJ)発射基地建設のため、森林法に基づき国有保安林の指定を解除したことをめぐり住民らが基地に公益性はないと行政訴訟を起こし、自衛隊の合憲性が争われた。1審は原告勝訴、2審は原告の請求を棄却、最高裁は原告に訴えの利益がないとして上告を棄却した。

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