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【きょうの人】ボストンバレエ団のプリンシパル・倉永美沙さん(31) 「世界で1人、オリジナルでありたい」

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【きょうの人】
ボストンバレエ団のプリンシパル・倉永美沙さん(31) 「世界で1人、オリジナルでありたい」

倉永美沙さん=ボストン市内のボストンバレエ団スタジオ

 「世界一ではなく、世界で1人、オリジナルでありたい。自分を誇りに思っている」

 根っからの負けず嫌いは、米名門、ボストン・バレエ団でアジア人初となるプリンシパル(最高位ダンサー)の座を勝ち取り、世界の観客を魅了する。どんなに著名なダンサーがいても、その人になろうとは思わない。「私は私だ」。8日に米フロリダでバレエ界のスターが集まる舞台に出演する。

 7歳から始めたバレエは挫折の連続と、コンプレックスとの共存だった。日本国内のコンクールで実績を積み上げたものの、欧米人とは違う小柄な自分の体が醜く見えた。「理想的な体形とは反対の方向に自分の体が成長している」。気持ちが不安定になり、バレエをやめることを考えた時期もあった。

 2001年にローザンヌ国際バレエコンクールで「スカラシップ」賞を受賞し、米サンフランシスコ・バレエ団に留学。体の違い、ダイナミックなバレエのスタイルにがくぜんとした。156センチという小柄な身長が理由で役を得られないこともある。

 だが、平和で裕福な日本に生まれ、バレエに打ち込むことができる。「私はラッキーだ」。自分を追い込み、誰よりも練習する。

 思い出すと涙がこみ上げてくる演技がある。バレエ学校の行事で踊っていた無名の少女の演技だ。小さな舞台で目立つ環境でもなかった。それでも、少女がわずか数分の演技のために注ぎ込んできた努力と情熱が伝わってきた。

 「私もそういうダンサーでありたい」

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