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「温泉の坂道下る祖母の背に…」 声に出し味わう日本語のリズム 小学生の短歌作り盛ん

小学生の短歌作りが広がっている。平成23年度から実施されている小学校の学習指導要領で、短歌が国語の指導の題材として示されたのがきっかけだ。短歌などの「音読や暗唱」も記載され、音読が注目された。声に出す効果について、専門家は「日本語のリズムや流れるような調べが感じられる」と話す。(寺田理恵)
◆流れるように
壇上に平安装束の男女。朗々とした調べ。荘重な雰囲気の中、素直な気持ちをつづった短歌が響くと、聴衆は静かに聞き入った。
2月に東京都渋谷区で開かれた「第10回しきなみ子供短歌コンクール」(倫理研究所主催)の表彰式では、「しきなみ子供短歌賞・文部科学大臣賞」の受賞作3首を聴いて味わうため、短歌に伝統的な節を付けて詠み上げる「披講(ひこう)」が行われた。
披講研究の第一人者、青柳隆志東京成徳大教授は「目で読んで楽しい短歌もあるが、口に出したときの自然なリズムや流れるような調べを感じられるのが素晴らしい短歌」と前置き。そのうえで、低学年の部で受賞した小学1年、田中雅子さん(7)の作品を「すうっと入ってくる見事なリズムがある」と講評した。