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【きょうの人】「女性や子供の可能性広げたい」 邦人初モザンビークで医療技術師になった栗山さやかさん(34)

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【きょうの人】
「女性や子供の可能性広げたい」 邦人初モザンビークで医療技術師になった栗山さやかさん(34)

モザンビークで医療技術士として働いている、元109店員の栗山さやかさん=13日、東京・大手町(寺河内美奈撮影)

 アフリカ南東部モザンビークで昨年12月、医師に代わり初期段階の医療行為を担う「医療技術師」の国家試験にトップで合格した。試験範囲は40科目に及び、出題は公用語のポルトガル語。合格は日本人で初めてといい「治安が悪く、夜は家にいて暇だから勉強を始めたんです」と謙遜する。

 静岡県御前崎市出身。都内の短大英文科を卒業後、渋谷のファッションビルでショップ店員などをしていたが、25歳の時に親友を亡くし、「大切なものが一気に色あせた」。バックパックを担いで東南アジアや中東などを一人旅で渡り歩き、2006年9月にアフリカ大陸にたどり着いた。

 医学の知識はなかったが、エチオピアやケニアの病院や医療施設でボランティアに取り組んだ。医師でさえ見捨てた患者に寄り添い、面倒を見る。だが、十分な治療を受けられず、死因もはっきりしないまま若くして死んでいく人は後を絶たない。09年から住むモザンビークで医療技術師を目指すことを決めた。

 現地では同年9月、深刻な貧困状態にあるシングルマザーらへの医療・衛生情報の提供や、子供の就学・通学支援などを行う団体「アシャンテママ」を設立し、代表も務めている。運営資金は自らの貯金と、自身のブログ「プラ子旅する。」を読んだ日本の支援者からの寄付が頼りだ。

 昨年末、約9年ぶりに帰国したが、まもなくモザンビークに戻り、今月から北部の病院で勤務を始める。「女性や子供たちの可能性を少しでも広げるために、さりげないことができたらいいなと思います」とほほ笑んだ。(田北真樹子)

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