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道尾秀介さん「透明カメレオン」 言葉の力で弱さと向き合う

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道尾秀介さん「透明カメレオン」 言葉の力で弱さと向き合う

「ラジオって簡単なものでもちゃんと電波をとらえる。そういう微弱なものをとらえる感覚を大切にしたい」と話す道尾秀介さん (野村成次撮影)

 今年で作家生活10周年を迎えた道尾秀介さん(39)が、新作『透明カメレオン』(KADOKAWA)を刊行した。「初めて読者のために書いた」という作品は、自身が追求し続けてきた「言葉の力」を描くことで、誰もが抱える「弱さ」と向き合い、それを受け入れる力を得られる物語。「すべての読者が満足できると思う」と話す自信作だ。

 「着想は主人公の造形から。僕はラジオが好きで、声と実際の外見のギャップが大きいほど、面白いなと思った。そこから物語が生まれました」

 ラジオパーソナリティーの恭太郎は、人をひきつける声とうらはらに、さえない容姿の持ち主。深夜の放送を終え、行きつけのバー「if」で仲間たちと過ごすだけの毎日を、楽しい話に変えてリスナーに届ける。恭太郎はある夜、「if」で不審な物音を聞く。その直後、店にびしょぬれの美女が迷い込み、恭太郎と店のママ、常連客たちは、ひょんなことから彼女が持ち出した“殺人計画”にかかわってゆく-。

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