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【中高生のための国民の憲法講座】第85講 国歌斉唱をめぐる最高裁判決 百地章先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
第85講 国歌斉唱をめぐる最高裁判決 百地章先生

国歌斉唱をめぐる最高裁判決をみてみましょう

 国歌斉唱の際に起立することは儀礼的なものであって、職務命令は教員の歴史観や世界観を否定したり、特定の思想を持つことを強制したりするものではない、それゆえ思想、良心の自由の侵害には当たらないというわけです。

公務員として遵法義務

 さらに、最高裁は24年1月16日、「起立命令違反懲戒処分事件」でも、起立を命じる校長の職務命令を合憲としています。

 他方、一連の最高裁判決は、国旗国歌法が「日の丸」を国旗、「君が代」を国歌と定めていること、さらに学習指導要領は学校の儀式行事において国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう定めていることをあげ、公立学校の教員は公務員として法令や職務上の命令に従わなければならないとしました。

 これも当然であって、最高裁判決が下されなければ平気で起立や国歌斉唱を拒否する教師が絶えないというのは異常です。

 他方、最高裁判決でも、23年、24年判決には不満がないわけではありません。23年判決は、起立斉唱という行為は国旗国歌に対する敬意の表明の要素を含んでおり、「日の丸」や「君が代」に対して敬意を表明したくない者にとっては思想、良心の自由の「間接的な制約」になる、などといっているからです。

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