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【書評倶楽部】アルピニスト・野口健 『イスラーム国の衝撃』池内恵著

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【書評倶楽部】
アルピニスト・野口健 『イスラーム国の衝撃』池内恵著

野口健さん

まずはちゃんと知ることから

 シリアで邦人2人が自称「イスラム国」なるテロリスト集団によって殺害されるというショッキングな事件が起きた。そしてインターネットを通じて残虐極まる映像が世界中に拡散された。日本社会の動揺も激しかった。国会では連日に渡り野党議員が政府の対応を厳しく追及し、テレビでもコメンテーターがこぞって批評したが、しかし、その様子を眺めながら、「イスラム国」なる集団を、誰も深くは理解していないのではないかと感じていた。巷でも「アルカイーダやタリバンと何が違うの?」「イスラム国が宣言したカリフってなに?」といった声を耳にした。

 「日本はアラブを敵に回した」「中東で対日感情が悪化した」などとまるで「イスラム国」が「全イスラム教徒の代表」と思い込んでいるかのような意見まで出た。

 揚げ句の果てに「イスラム国」を強く非難しているエジプトであるにもかかわらずエジプト人力士の大砂嵐に馬鹿(ばか)げたヤジまで飛んだ。無知がそうさせたのかもしれないが、大切なことは「イスラム国」と他のイスラム社会を一緒くたにしないことだ。

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