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【長尾一紘先生の中高生のための国民の憲法講座】第82講 象徴天皇制について考える

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【長尾一紘先生の中高生のための国民の憲法講座】
第82講 象徴天皇制について考える

日本国憲法の第1条について考えてみましょう

 しかしながら、イギリスをはじめ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなどの例からも明らかなように、君主国においてこそ、民主化は、よりスムーズに達成されています。

 一方、共和国ドイツにおいては、ナチスの一党独裁体制が生まれました。共産国ロシアにおいては、共産党の一党独裁体制が生じました。共和制の実現は、必ずしも民主化を意味するわけではないのです。憲法解釈においては、国際社会の常識にも目を向ける必要があります。

 憲法改正をおこなうことが理想ですが、現行の規定の上でも、天皇は「元首」であり、日本国は「君主国」です。

 象徴天皇制を理解するためには、まずこのことを考えてみる必要があるのです。

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【プロフィル】長尾一紘(ながお・かずひろ)中央大学法学部卒。東京大学大学院修士課程。中央大学教授を経て、現在、名誉教授。著書に『日本国憲法・第4版』『基本権解釈と利益衡量の法理』など。近著として『外国人の選挙権 ドイツの経験・日本の課題』。72歳。

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