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構想10年…「私の願いを詰め込んで」 新刊「インドクリスタル」篠田節子さん

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構想10年…「私の願いを詰め込んで」 新刊「インドクリスタル」篠田節子さん

篠田節子さん

 『女たちのジハード』など骨太な世界観で読者をひきつける直木賞作家、篠田節子さん(59)が、作家生活25周年を記念した『インドクリスタル』(KADOKAWA)を刊行した。インドを舞台に水晶を追って繰り広げられる社会派冒険エンターテインメントだ。

 人工水晶デバイスの製造開発会社の社長・藤岡は、惑星探査機につける超高性能水晶振動子の核となるマザークリスタルを求め、インドの寒村に赴く。宿泊先で使用人兼売春婦として働く少女、ロサとの出会いを機に、インドの闇の奥へと足を踏み入れてゆく-。

 構想10年という大作は、貧富の格差、男尊女卑、地方と中央、権力と服従、資本と搾取といった対立軸を見事に咀嚼(そしゃく)し、エンタメとして昇華させている。「きっかけは、少女を生き神として崇拝する『クマリ』に興味を持ったこと。熱くてえたいのしれない汗のにおいの中に、怪しくて危険な女神が現れ、組織人としてのサラリーマンがからめ捕られていく。当初はそんな構想だったのですが、調べていくうちにいろいろな問題が噴出してきた。ですから女の子の存在自体をぐっと現実的なものにしました」

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