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【中高生のための国民の憲法講座 第81講】公民教科書の憲法像は正しいか 長尾一紘先生

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【中高生のための国民の憲法講座 第81講】
公民教科書の憲法像は正しいか 長尾一紘先生

憲法の基本原則について考えてみましょう

 一党独裁の国家においても、人民主権など、3原則説に類似した原則がかかげられることが少なくありません。しかし、権力の分立は明確に否定されています。行政権が、「党の指令」などの方法で、法律の内容、判決の内容まで決定しうる仕組みになっているのです。

 第2の立場の論者は、つぎのように主張します。

 「日本国憲法は、国民主権、人権の尊重、平和主義、権力分立-の4つを基本原則とする」

 この立場においては、「権力分立」が基本原則に加えられています。たとえ人権の尊重が憲法において宣言されていたとしても、権力の分立が保障されていなければ、人権は「絵に描いた餅」にすぎません。この第2の立場は、3原則説を一歩前進させたものとみることができます。しかし、これにも難点があります。

 ◆「自画像」を描く

 イギリスとアメリカの国家体制を比較して、一番の相違点は何かと問われれば、多くのひとは「君主制と大統領制のちがいだ」と答えるにちがいありません。日本国の体制は、イギリス、スウェーデン、デンマークなどと同じタイプに属します。すなわち、日本国は「立憲君主国家」です。象徴天皇制は、立憲君主制の趣旨を徹底させたものとみることができます。

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