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【編集者のおすすめ】『青色LED開発の軌跡 なぜノーベル賞を受賞したのか』

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【編集者のおすすめ】
『青色LED開発の軌跡 なぜノーベル賞を受賞したのか』

『青色LED開発の軌跡 なぜノーベル賞を受賞したのか』小山稔著(白日社・1500円+税)

 全色、日本人が発明・実用化

 青色LED開発に貢献した日本人3人がノーベル物理学賞を受賞しました。日本は21世紀に入って毎年ほぼ1人のペースで受賞者を出し続けており、科学も超一流であることを証明しています。LED(正確には高輝度LED)は地球の未来を左右する省エネ照明技術で、世紀の大発明とも言われています。

 うれしいのは、光の三原色である赤、緑、青、そして照明用の白色LEDまで、すべて日本人が発明・実用化したことです。赤と緑の発明は西澤潤一博士(元東北大学総長)、青は中村修二博士、白は清水義則氏(ともに元日亜化学工業)です。

 発明から実際の製品化までには、さまざまな努力と工夫が必要です。トンビに油揚げをさらわれるケースも多々あります。しかし、LEDはすべて日本で実用化されました。赤と緑はスタンレー電気、青と白は日亜化学です。

 本書の著者小山稔さんは、そのすべてにかかわった非常に珍しい技術者です。スタンレー電気時代に赤と緑を製品化し、偶然日亜化学に移ってから、青と白色も実用化しました。メモ魔の著者が、膨大な保管資料をもとに書いた開発記録が本書です。

 科学や技術の世界では、その歴史を検証したり評価を定めたりするとき、事実を逸脱することは許されません。LED開発でその根拠となるのが小山氏の記録なのです。

 なお西澤・中村両氏による発明物語『赤の発見 青の発見 高輝度LEDで光の三原色をつくった天才たち』の改訂新版も同時発行しました。(小山稔著/白日社・1500円+税)

 白日社編集部 松尾義之

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