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【中高生のための国民の憲法講座】第79講 日本は「弱いほうがよい」か 長尾一紘先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
第79講 日本は「弱いほうがよい」か 長尾一紘先生

即席でも内容はいい? 戦後70年の節目に改めて憲法について考えてみましょう(イラスト 今泉有美子)

 第2に、占領中に、アメリカは、日本に対する占領政策を変更しています。

 朝鮮戦争を境として、それまでとられてきたウイーク・ジャパン政策を放棄してストロング・ジャパンの政策をとるようになりました。そして、再軍備を要求するようになりました。変化の要因は、冷戦の本格化、共産主義中国の強大化です。平和の敵は、日本やドイツではなく、ソ連、中国だと考えるようになったのです。

 占領と憲法

 占領目的については、上記(2)の見解が正しいようです。ここで確認しうることは、日本国憲法がつくられたときには、ウイーク・ジャパンの政策がとられていた、ということです。日本国憲法に、国防についての規定、そして、国柄、元首、緊急事態についての規定が欠けているのはこのような事情によるものです。

 ところで、改憲反対の立場から、つぎのような主張がなされています。

 なるほど日本国憲法は、外国軍隊の手によって作成された「外国製憲法」だ。しかもたった10日ほどで草案が作成された「即製憲法」だ。だが内容はよい。内容がよければそれでよいではないか、と。

 しかし、はたして「内容がよい」といえるか否かが問題です。日本を弱体化するために国防の規定を置かなかったのだとするならば、日本国憲法は安全保障について大きな問題を抱えているということになります。

 これはほんの一例にすぎません。この講座においても、このような内容上の問題点についてさまざまな指摘がなされてきました。日本国憲法の内容を正しく理解するためには、占領軍の占領目的についても考えてみる必要があるのです。

                   

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