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iPS臨床「最初の一歩、大きな勇気に」と山中教授

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iPS臨床「最初の一歩、大きな勇気に」と山中教授

インタビューに答える京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授=22日午後、京都市左京区(志儀駒貴撮影)

 京都大の山中伸弥教授が開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)は今年、世界初の移植手術が日本で実現し、研究は大きく進展した。山中教授は22日、産経新聞の取材に「最初の一歩を踏み出し、大きな勇気になった」と振り返り、今後は安全性などの評価基準となる「ものさしづくりを進めていく」と語った。

 iPS細胞の臨床研究では、目の難病を対象に理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが9月、神戸市内の医療機関で世界初の移植手術に成功した。

 iPS細胞の臨床研究は国の指針に沿って安全性などの評価を受け、承認を得る必要がある。高橋氏らが使ったiPS細胞の品質評価に協力した山中教授は「これまでの動物実験の段階から臨床研究の入り口に立った」とした上で、「始まる直前は本当に(国の)ゴーサインが出るのかな、という産みの苦しみがあった」と漏らした。

 山中教授は現在の評価基準について「他の細胞には課されていないような検査が求められ、相当に厳しい」と指摘。「応用は始まったばかりなので、基準が厳し過ぎるのかどうかを判断することができない」と述べた。

 その上で、治療への応用を迅速に進めるため、適切な評価基準づくりを段階的に進めていくことを自身の次の目標に掲げた。そのため動物実験の結果や、他の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)などの知見も含めてデータを積み上げたいとしている。

 iPS細胞を使った再生医療では来年、京都大の高橋淳教授らがパーキンソン病患者を対象に、脳の神経細胞を移植して治療するための臨床研究を計画している。山中教授は「これからが本番」と気を引き締めた。

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