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【父の教え】映画監督・大林千茱萸さん 自由には責任が伴う

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【父の教え】
映画監督・大林千茱萸さん 自由には責任が伴う

「一つの映画の感想について、一昼夜、1週間も父と話し続けることがある」と話す大林千茱萸さん=東京都千代田区(野村成次撮影)

 「人間はそれぞれ違う。血がつながっていても、父と私は違う人間。その違いを面白がるように育ててくれました」

 映画作家、大林宣彦さん(76)の長女で、昨年、初監督の映画「100年ごはん」を発表した大林千茱萸さん(50)はこう話す。

 映画は長年交流のあった大分県臼杵(うすき)市の前市長、後藤国利さんからの依頼がきっかけ。後藤さんが料理家として活躍する千茱萸さんに、同市が取り組む有機農業にスポットを当てたドキュメンタリー映画の監督就任を頼んだのだ。

 幼いときから映画作りの苦労を知っているだけに迷いがあったが、じっくり考えた末に決断。約4年かけて、現代の「食」にとって大切なものとは何かを訴える映画を作りあげた。

 完成後の映画を見た宣彦さんからは「誰にも似ていない、あなたらしい発明にあふれた作品」と褒められた。映画監督として「父と同じ方向に踏み出せたかな」と感じた瞬間だった。

 映画やCM作りに没頭する大勢のエネルギッシュな大人に囲まれて育ち、3歳から国内外の名作を見てきた。父は海外ロケや映画製作で多忙を極め、母も自分も映画づくりの“同志”としてあらゆる役割をこなした。

 大林家は「自己責任」が重視される家庭環境だった。

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