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【中高生のための国民の憲法講座】第76講 本当は怖い国民審査 池田実先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
第76講 本当は怖い国民審査 池田実先生

最高裁判所の裁判官の国民審査について考えてみましょう

 審査を受ける裁判官の氏名を記載した投票用紙を受け取った有権者は、辞めさせたい裁判官に×印を付けて投票し、無記入より×の方が多かった裁判官は罷免されます。しかし、実際に×が付けられる割合は多くても十数パーセントにとどまり、これまでに国民審査で罷免された裁判官は一人もいません。

日本になじむのか

 これは、裁判官がみな立派だからというよりは、ほとんどの有権者が裁判官の経歴や実績を知らないまま衆院選の投票所で国民審査の投票用紙を渡され、仕方なく投票しているからでしょう。投票用紙に右縦書きで並ぶ裁判官氏名の記載順はくじ引きで決められますが、右側に書かれた裁判官ほど×が多くなるという、まことにふざけた、しかし笑えない傾向も指摘されています。

 このような現状をふまえ、たとえば産経新聞社『国民の憲法』要綱は、形骸化した国民審査の廃止を提案しています。しかし、形骸化ということ以前に、そもそも裁判官公選制の伝統のない日本の司法に国民審査がなじむのかという原理的な問題があります。

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