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【中高生のための国民の憲法講座】衆院解散の「大義」とホンネ 第75講 池田実先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
衆院解散の「大義」とホンネ 第75講 池田実先生

「7条解散」とは何でしょう

 安倍晋三首相による衆議院「アベノミクス解散」を、野党は「大義のない」身勝手な解散だと非難しました。解散の「大義」とは何なのでしょうか。

7条解散

 憲法69条には、衆議院が内閣不信任決議案を可決したときに、10日以内に衆議院が解散されないかぎり、内閣が総辞職しなければならない旨が書かれています。しかし、実際に内閣不信任決議案が可決されることはあまりありません。内閣は国会多数派の信任を得て発足するので、与党が内部分裂を起こさないかぎり、野党が出す内閣不信任決議案が可決される見込みはないからです。

 憲法には、衆議院が内閣不信任の意思表示をしたときのほかに、衆議院を解散できる場合を定めた条文がありません。しかし、これを不信任決議がないと解散できないという意味に取ると、総選挙の機会は極端に減ることになります。政府の政策や国会の立法が民意から離れてしまっても、国民は議員の任期満了まで我慢しなければなりません。

 そこで、憲法7条には内閣の助言と承認により天皇が衆議院を解散する旨が書かれているのだから、内閣の判断でいつでも解散できると解釈すべきだとされ、今日のように不信任決議なしの「7条解散」が当たり前に行われるようになったのです。

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