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【産経Health】緑茶カテキン インフルエンザ予防効果に期待

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緑茶カテキン インフルエンザ予防効果に期待

提坂裕子所長

 中国で飲みはじめられ、日本では奈良・平安時代に、留学僧によって持ち帰られたのが始まりとされる緑茶。上流階級の飲み物から広く一般に普及し、日本人に最も身近な飲み物として愛され、親しまれてきた。近年では、手軽に飲めるペットボトル飲料として多彩な緑茶商品が市場を形成している。そうしたなか、緑茶カテキンのインフルエンザ予防効果に注目した研究が期待を集めている。

 缶入り緑茶飲料、ペットボトル入り緑茶飲料のパイオニアとして知られる、株式会社伊藤園の中央研究所でも、静岡県立大学などと共同で緑茶摂取によるインフルエンザ予防効果の研究を行い、興味深い結果を得ている。同研究所の提坂裕子所長は、2009年から10年にかけて行われた臨床試験について、「緑茶に含まれるカテキンとテアニンについて、2つの成分を含むカプセルと含まないカプセルを飲むグループに分け、5カ月飲用してもらい比較しました。その結果、緑茶のカテキンとテアニンがインフルエンザの発症予防に有効である可能性が示されました」と紹介する。

 また提坂所長は、カテキンは飲んだあと次第に体内で濃度が下がっていくため、緑茶飲料などをこまめに継続して飲むのが良いとして、「お茶を日常的においしく飲んで、自然と健康に寄与できるのが理想的だと思います」と話す。

 共同研究を行った静岡県立大学薬学部の山田浩教授は、緑茶の健康効果について「緑茶カテキンは、抗酸化作用や抗アレルギー作用などの研究が進んでいて、そのなかで抗菌・抗ウイルス作用についてはインフルエンザ予防が期待されています」と紹介する。

 山田教授は08年から09年にかけ、小学生約2000人を対象にアンケートによる疫学調査を行っている。それによると、「1週間に6日以上緑茶を飲む児童は、週に3日未満の児童にくらべインフルエンザ発症が40%減少していました。また、1日に飲む量も、1~5杯飲む児童は1杯未満の児童に比べ38~46%減少していました。こうしたことから、毎日1~5杯の緑茶をこまめに飲むことが、インフルエンザ予防に効果が期待できると示唆されました」(山田教授)。

 山田教授は緑茶カテキンに関し、インフルエンザウイルスが体内に侵入するのをブロックする作用や、体内で増殖するのを抑える作用などが複合的に働いて予防効果につながっているのではないかと話す。その上で、「熱い緑茶も冷たい緑茶もカテキンの作用は変わりません。また、基礎研究ではインフルエンザの型によらず効果が期待できると報告されています」と解説する。

 そのほか、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・野菜茶業研究所の物部真奈美主任研究員は、お茶とご飯を一緒に食べることで緑茶カテキンが吸収されやすくなり、血中カテキン量が増えるという研究結果も発表している。

 寒さも本格的になるこれからの季節。注目の緑茶カテキンの摂取なども含め、家族全員でインフルエンザ予防に備えたい。

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