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【中高生のための国民の憲法講座】第73講  PKOと日本国憲法の関係は 浜谷英博先生

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【中高生のための国民の憲法講座】
第73講  PKOと日本国憲法の関係は 浜谷英博先生

PKOと憲法の関係をテーマに考えてみましょう

 今回は国連憲章に法的根拠のないPKO(国連平和維持活動)と日本国憲法の国際協調主義との関係がテーマです。

 今から二十余年前、日本のPKO参加が具体的政策として議論され始めた頃、国民の中には自衛隊が創設以来、初めて海外での武力行使が可能になったと判断した人も少なくありません。

◆巻き込まれ論の誤り

 この見方に拍車をかけたのが、一部マスメディアのミスリードです。あたかも自衛隊が海外での戦争に加担するかのような論調もあり、いわゆる紛争への巻き込まれ論が声高に叫ばれもしました。また国際平和の構築のために国連尊重主義や国連中心外交を標榜(ひょうぼう)しながら、当時の大方の協力内容は物的・財政的支援に偏り、人的貢献はほぼ置き去りにされていました。

 ちなみにPKOは、国連憲章に直接の根拠を持たない活動でありながら、国連創設間もない頃から平和的実績を積み重ねた貴重な活動です。軍事的活動に厳しく制約を課していた日本国憲法下でも、武力行使を目的とせず紛争地域では活動しないなどのPKOの諸条件は、日本の国際貢献として最もふさわしい活動でもありました。

 しかし歴代の政府は、武力行使を伴わないPKOへの参加について、日本国憲法も特段禁止はしていないものの、自衛隊法にそのような任務が与えられておらず参加はできない、としてきたのです。それが不参加理由の全てだとすれば、法改正して活動目的に加えればよかっただけですが、戦後しばらくの間の政治的社会的状況は、それに踏み切らせませんでした。

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