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【中高生のための国民の憲法講座】第67講 二院制の制度設計再構築を

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【中高生のための国民の憲法講座】
第67講 二院制の制度設計再構築を

 昭和21年3月4日、日本側が英国型に範をとった案を連合国軍総司令部(GHQ)に提示したところ、米国側から示されたのが、前述の衆議院での再議決方式だったのです。そのとき米国側が参考にしたのは、大統領の法案拒否権制度でした。米国憲法では、連邦議会で可決された法律案は、大統領に提出され、大統領が反対であれば、拒否権を発動することができます。そして連邦議会が出席議員の3分の1以上の賛成により、大統領の拒否権をくつがえせば、法律となることが定められています。

 ◆参院が優越する矛盾

 この大統領と連邦議会との関係を日本の両院関係に導入したために、非常に不合理な仕組みができあがったのです。現行の制度では、参議院で過半数の議席をとっていれば、衆議院で3分の1をちょっと超えるだけで、法律の成立を阻止することができます。このシステムは、参議院に内閣の不信任権を与えていないことなどから、むしろ参議院に優越権を与えるという矛盾した結果をもたらすことになります。

 このような矛盾を解消するためには、組織面と機能面で改革が必要になります。組織面では、参議院に地方議会による間接選挙議員を加えて、地方の再生を期すと同時に、スペシャリストや高い見識を備えた議員を候補者リストに載せるよう政党にうながす。機能面では、参議院に行政監視や人事案件の承認などの独自の役割を与え、法律の成立手続きなどにおいては、衆議院の優越を徹底し、「決められる政治」の促進をはかる-二院制の制度設計の再構築が早急に求められているのではないでしょうか。

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