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【中高生のための国民の憲法講座】第67講 二院制の制度設計再構築を

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【中高生のための国民の憲法講座】
第67講 二院制の制度設計再構築を

英国型と米国型 西修先生

 二院制にかかわる現行憲法の最大の問題点は、組織と権限関係において、合理的な整合性がとられていないということです。両院がともに直接選挙で選ばれるのならば、民意の反映を大切にして、とくに法律の成立手続きについては、両院の権限を基本的に対等にするのが合理的でしょう。米国では、上下両院とも直接選挙とされており、法律案に不一致の場合は、廃案とされています。これに対して、上院が貴族のみで組織されている英国では、下院に優越権を与えています。

 わが国の憲法をみてみましょう。予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名の議決に関しては、細部では少しばかりの相違があるものの、衆議院で一度議決し、参議院でこれと異なる議決をした場合には、両院協議会を開き、それでもなお意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決になります。また法律案については、衆議院で可決し、参議院で否決または修正可決されると、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決しなければ、法律になりません。

 このように、同じ衆議院の優越でも、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名議決手続きと法律の成立手続きとでは、大きな違いがあります。いったい、法律の成立手続きがなぜこのような規定方式になったのでしょうか。

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