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【中高生のための国民の憲法講座】第66講 西修先生 憲法成立過程から二院制考える

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【中高生のための国民の憲法講座】
第66講 西修先生 憲法成立過程から二院制考える

 前4講にわたり、わが国の二院制にいかに問題点が多いか、石田榮仁郎先生により指摘されました。いったい、どうしてこんなふうになったのか。その根本的理由は、日本国憲法の成立過程に起因します。

 ◆GHQ草案では一院制

 昭和21年2月13日、連合国軍総司令部(GHQ)が日本側に示した日本国憲法の草案では、国会の構成を一院制としていました。日本は米国のような連邦制をとっておらず、一院制の方が簡便であるなどが主な理由です。ただし、絶対に一院制にしなければならないと固執(こしつ)していたわけではなく、“取引材料”にできると考えていました。

 すなわち、もし日本側が二院制を要求してきたら、それには応じても、他の主要な部分(戦争放棄や天皇の地位に関する条項など)の変更は認めないという立場をとっていたのです。

 3月4日、日本側は二院制を残し、直接選挙による議員のほか、職能別(商業代表や農業代表など)の議員や内閣が両院議員からなる委員会の決議により任命する議員も加える案を提示したのですが、職能別議員や任命制の議員は非民主的であるとして拒絶され、結局、両院とも「国民により選挙せられ国民全体を代表する議員をもって組織する」ことになりました。現行の憲法43条もほぼ同じ規定になっています。GHQの意向を丸のみしたというのが実情です。

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