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【自作再訪】
半藤一利さん「日本のいちばん長い日」 歴史の「ウソ」常識で判断
現代への教訓? 戦争は始めるのは簡単だけど、終わりにするのは大変。この一言に尽きます。あの時はたまたま昭和天皇という冷静な人がいて、鈴木貫太郎首相、阿南惟(これ)幾(ちか)陸軍大臣といういい役者がそろっていた。それで初めて終戦があり得たわけで、普通は、こううまくはいかない。だから戦争というのは、単純にけしからんからやっちゃえ、で始めるもんじゃないんだよ、と。=月1回掲載します。
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【プロフィル】半藤一利
はんどう・かずとし 昭和5年、東京生まれ。東大文学部卒業後、文芸春秋に入社。「週刊文春」「文芸春秋」編集長、専務取締役を経て作家に。自他ともに認める「歴史探偵」として、近現代史に関する著書を数多く発表。平成5年に『漱石先生ぞな、もし』で新田次郎文学賞、平成10年『ノモンハンの夏』で山本七平賞、18年『昭和史』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。妻は夏目漱石の孫でエッセイストの末利子さん。