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【書評】『うつ病で半年間寝たきりだった僕が…』阪口裕樹著

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【書評】
『うつ病で半年間寝たきりだった僕が…』阪口裕樹著

 □『うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話』

 ■他人の言葉は人生の贈り物

 長いタイトル、でもそのままの内容だ。もっといえば、「自分に絶望し自殺未遂までしたが、やがてパソコンで起業、念願の自由を手に入れた若者の物語」である。

 何不自由ない中流家庭に育った著者は大学卒業後、東南アジア貧困支援NGOに就職する。優秀な若者ではないか。だが本人の内心では、音楽と小説で身を立てたいという強い夢があった。その夢への希求が強かった分、かなえられなかったときの喪失感は大きかったのだろう。

 加えて失恋。鬱病になり、自殺未遂。寝たきりになった彼にとって治ればまた働かなくてはならないのもストレスで、ずるずると日々を過ごしていた。そんな彼がどうやって脱却できたのか。そこには彼が偶然出会った2人の男性の存在があった。

 ひとりは近所の川で鯰(なまず)を釣っていた中年男。なんと大企業の重役だ。鬱病になり、仕事を丸2年休んだこともある。彼は若者の状況をきいてこんなアドバイスをする。

 「仕事をすることだよ。働かないと何も見つけられないし何も手に入れられない。どんな仕事でもいいから社会とつながることだ」

 やがて著者は再起を期し、あいりん地区のドヤでパソコンの情報関係の仕事を始める。

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