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三浦さんエベレスト登頂成功の支え カテーテルアブレーション

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三浦さんエベレスト登頂成功の支え カテーテルアブレーション

 5月23日に80歳の世界最高齢で3度目のエベレスト登頂を果たした冒険家、三浦雄一郎さん(81)は心房細動という不整脈の持病を抱えていた。カテーテルアブレーション(心筋焼灼(しょうしゃく)術)で三浦さんの心臓を4度手術し、登頂を支えた茨城県土浦市の土浦協同病院院長、家坂義人医師(65)に聞いた。(村島有紀)

 加齢で増加

 三浦さんは5月1日、エベレストのベースキャンプで家坂医師に「おかげさまで70、75歳のときより心臓すこぶる良好です」との手紙を送った。その後、見事に登頂を成功させた。

 家坂医師が三浦さんを初めて診察したのは平成18年12月。当時は2度目のエベレスト登頂を目指していた。家坂医師は「カテーテルアブレーションは比較的若い人に多い発作性の心房細胞の根治に用いていた。当時、70歳を超えた持続性心房細動の手術は珍しかった」と振り返る。

 心房細動は不整脈の中で最も多い疾患で、60歳以上では1~2%、80歳以上では10~15%の人に見られるという。男性に多く、高齢化により急増していると思われる病気の一つだ。

 発症すると不規則な脈が1分間に150回を超える。心房と心室が連動する正常な収縮がなくなり、心房全体が小刻みに震え、心室へ血液が十分に送れなくなり、心臓から血液を送り出す働きが低下する状態。放置しても1週間以内に自然停止する発作性▽放置すると1週間以上持続するが、薬物や電気ショックで停止できる持続性▽1年間以上持続する長期持続性(慢性)-に分類される。

 心房細動だけでは死に至らないが、心臓の機能は約20%低下する。血栓もできやすく、脳梗塞の原因となる(心原性脳梗塞)。認知症の発症リスクが高まる可能性があるとの報告もされている。慢性化すると少しずつ心臓機能が低下し、心不全の発症にもつながる。

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