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【正論】火葬導入で御代替わりの事思う 国学院大学名誉教授・大原康男

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【正論】
火葬導入で御代替わりの事思う 国学院大学名誉教授・大原康男

 ほぼ1カ月前の11月14日、宮内庁は天皇皇后両陛下の御喪儀に火葬が導入されると発表した。御陵・御喪儀全体について「極力国民生活への影響を少なくする」との両陛下のご意向に沿って、御陵の形態は天皇陵と皇后陵を一体的なものとする。その規模も昭和天皇・香淳皇后陵の8割程度の大きさに縮小する。御火葬の施設は武蔵野陵墓地内にその都度設け、資材・火葬炉などは再利用する-以上が概略だ。火葬導入に伴う御喪儀の儀式の改定や葬場殿(御喪儀が営まれる臨時の建物)の場所などはなお検討中とされる。

四半世紀前の「大喪の礼」

 ご高齢とはいえ、ご健康に重大な支障があるわけでもないのに突然に発表され、古代・中世は長らく土葬・火葬が混用されながら江戸時代初期に土葬に統一されて今日に至っている今のあり方を大きく変更するものであることに、驚いた人も少なくあるまい。

 思い起こせば、四半世紀前の昭和63年9月19日深夜、昭和天皇が2度目の重患の身となられ、いわゆる“Xデー”の到来を前に、政府内では、御代替(みよが)わりの諸儀のあり方についてひそかに検討と準備が進められた。一口に諸儀というが、その意義を要約すれば、先帝に対する哀悼・追慕の念を示しつつ新帝の御代を慶賀・歓迎するという2つの思いが重なる中で、約2年間にわたって行われる、皇位継承に関わる一連の行為・儀礼・祭祀(さいし)-ということになろう。

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