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ローカル線+酒蔵=地域活性化 シンポ、ツアー、食で魅力再発見

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ローカル線+酒蔵=地域活性化 シンポ、ツアー、食で魅力再発見

 プロジェクトの事務局を務めるコンサルティング会社社長の中村壮一郎さんは「日本酒は食や器などにテーマを広げられる。沿線には陶芸工房、生産規模が小さくて流通に乗せにくいが良い食材もある。それを生かした飲食店が少ないのが課題。一過性の観光イベントではなく、地域の人が理解を深めることで沿線を活気づけたい」と話す。

 観光庁が推進する観光振興策「酒蔵ツーリズム」は日本酒の海外輸出や外国人観光客誘致も視野に入れるが、県商業流通課は「県内には規模の小さい酒蔵が多く、大型バスの受け入れなどが難しい」と課題を指摘。同プロジェクトも地域での消費を増やす方策を検討している。

 ◆鉄の道

 「日本再生は地方の復権から」を掲げ、酒蔵と連携したローカル鉄道沿線活性化事業を展開するのは、一般社団法人「洸楓座」(東京都千代田区)。ローカル鉄道を応援する共通銘柄「鉄の道」を開発し、「○○鉄道応援酒 鉄の道」の製造を沿線の小さな酒蔵に働き掛けている。

 地域に根ざしたローカル鉄道と発酵文化を象徴する日本酒を守るのが目的で、主宰する佐藤建吉・千葉大大学院准教授は「廃線の危機にさらされている鉄道と、日本酒離れで衰退している酒蔵を一緒にして分かりやすくしたのが『鉄の道』。酒蔵はそれぞれ独自性を出しているが、数が多くて覚えきれない」と説明する。

 「いすみ鉄道」(千葉県大多喜町)沿線で平成21年に第1号が誕生。「水間鉄道」(大阪府貝塚市)や「三陸鉄道」(岩手県宮古市)などに広がった。佐藤さんは「飲めば運転ができないから鉄道に乗り、飲食や宿泊でお金が落ちる。ローカル線と酒蔵が助け合うことで鉄道ファンも日本酒ファンも応援にかかわり、さらに広がる可能性もある」と期待している。

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