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【高校教科書検定】頼朝、尊氏は別人? おなじみ肖像画、新学説に配慮

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【高校教科書検定】
頼朝、尊氏は別人? おなじみ肖像画、新学説に配慮

 多くの歴史上の人物が登場する高校の社会科教科書では、おなじみの肖像画が「別人」と判明して掲載されなくなったり、説明を変更したりするケースが近年相次いでいる。代表的なのは源頼朝と足利尊氏。実教出版の日本史Bでは、2人の肖像画をめぐる話題をコラムで取り上げた。

 黒い馬にまたがり、刀を担ぐ武将。かつて「足利尊氏像」とされていた肖像画だが、現在は単に「騎馬武者像」とされ、他社の教科書にもあまり掲載されなくなった。コラムは、馬具の家紋などから「(尊氏の重臣の)高師直(こうのもろなお)、あるいはその一族の者と理解されるようになった」としている。

 源頼朝として有名だった神護寺(京都市)所蔵の肖像画も「伝源頼朝像」と記載。頼朝像の真偽をめぐっては、冠の特徴などにより50年以上前から多くの疑問が出されていたと説明している。

 また、東大寺南大門の金剛力士像はこれまで、仏師の運慶と快慶による制作とされてきたが、現在の学説では湛慶と定覚(じょうかく)も制作に携わったとされているとして、日本史の3冊は「運慶・快慶らの手になる」などと修正した。

 5世紀前後の大和政権と朝鮮半島の関係についても、「従来の(日本が)植民地的な支配を行っていたとしていた学説に、近年の研究で否定的な傾向が強まっている」として、日本史3冊の「勢力をのばした」との表現が「影響力をおよぼした」に改められた。

 こうした学説の新たな動向は、いつ教科書に反映されるのか。実は、国も明確な基準を定めているわけではなく、文部科学省は「事例ごとに判断している」とだけ語る。

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