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【昭和天皇の87年】軍服を着た11歳の皇太子 だが本心は「博物博士になりたい」

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【昭和天皇の87年】
軍服を着た11歳の皇太子 だが本心は「博物博士になりたい」

画=豊嶋哲志 画=豊嶋哲志

帝王教育(1)

 大正元年10月10日、裕仁親王は《この日初めて軍刀を携えられ、東宮武官西義一の奉仕にて、陸軍正式礼(刀礼)の稽古を行われる。翌日も陸軍正式礼の稽古を行われる》(昭和天皇実録3巻190頁)

 明治天皇の崩御により嘉仁皇太子が即位し(大正天皇)、同時に皇太子となった裕仁親王は、規定により陸海軍の少尉に任官。大正天皇から大勲位に叙された。以後は皇太子として、陸海軍の公務も務めるようになる。

 10月25日《(裕仁皇太子は)陸軍通常礼装に大勲位副章を御佩用になり、陸軍大臣上原勇作・教育総監浅田信興に謁を賜う。ついで海軍服にお召替えの上、同じく同副章を御佩用になり、海軍大臣斎藤実に謁を賜う》(3巻193頁)

 11月10日《第一艦隊へ行啓され、皇太子の御資格による初めての御乗艦式、並びに第一艦隊附御赴任布達式に臨まれる。(乗艦した御召艦の)平戸に皇太子旗が掲揚され、所在各艦は平戸に倣い一斉に満艦飾をなし、皇礼砲を行う》(3巻196頁)

 およそ2年前に韓国が併合され、半年前には中国の清朝が崩壊するという、アジア激動の時代だ。裕仁皇太子が袖を通した軍服のプレゼンスは、日本を超えてアジア諸地域で高まりつつあった。

 とはいえまだ11歳。雍仁(やすひと)親王によれば、陸海軍の正装をまとい、勲章を佩用した裕仁皇太子は、「ちょうどおもちゃの兵隊といった感じ」だったという。

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