野党共闘、際立つ違い 前原氏「理念・政策合わない」枝野氏「参院選で一定成果」 消費税増税、原発政策でも隔たり

民進党代表選
共同会見後、握手する枝野幸男元官房長官(左)と前原誠司元外相=21日午後、東京・永田町の民進党本部(佐藤徳昭撮影)

 21日に告示された民進党代表選で、候補者の主張に違いが際立つのは野党共闘と消費税増税、原発政策への姿勢だ。とりわけ野党共闘では、前原誠司元外相が共産党との協力関係の見直しを示唆し、昨年の参院選での協力の成果を強調する枝野幸男元官房長官との間で路線対立が生じている。(松本学)

 21日に民進党本部で開かれた候補者の共同記者会見で、前原氏は次期衆院選での共産党との協力に強い表現で疑問を投げかけた。

 「理念・政策が合わないところと協力することは、私はおかしいと思う」

 続いて発言した枝野氏は、党幹事長として陣頭指揮した参院選での協力について「成果を挙げることが一定程度できた」との認識を示し、立場の違いを強く印象づけた。

 民進党執行部はこれまで共産党と政権をともにすることを否定する一方、選挙協力は容認する路線を取ってきた。しかし、前原氏は政権構想のみならず選挙協力にも否定的だ。

 20日の党員・サポーター集会では、党内の憲法改正議論が低調な背景に共産党との協力があるという見方を示し「共産党は憲法(改正)反対だから扱ってはいけない、ということで、どんどん民進党の独自性をなくしてきた」と訴えた。

 とはいえ、前原氏が「脱民共」へかじを切れるかは見通せない。前原氏の背後には、野党首脳の中で最も共産党との共闘に前のめりな小沢一郎自由党代表の影がちらつくからだ。前原氏は近年、かつて犬猿の仲だった小沢氏との関係修復を進めており、代表選の推薦人には小沢氏に近い松木謙公、小宮山泰子両衆院議員らが名を連ねた。

 野党共闘と並んで前原、枝野両氏の主張の違いが目立つのは、平成31年10月に予定される消費税率10%への引き上げに対する見解だ。前原氏は予定通り引き上げるべきだと唱え、枝野氏は消費が回復基調に乗る見通しがないことなどを理由に「上げるべきだが、上げられる状況ではない」と主張している。

 党方針の「2030年代原発ゼロ」の年限目標に関しても、堅持を掲げる前原氏に対し、枝野氏は前倒しも検討する考えだ。

 一方、憲法9条1、2項を維持した上で自衛隊の存在を明記する安倍晋三首相(自民党総裁)の改憲案には、集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法が憲法違反だという主張に基づき、両氏が反対で足並みをそろえる。

 ただ、前原氏は昨年の代表選で自衛隊を憲法に明記する「加憲」を掲げ、今年5月の経済誌インタビューでも「9条3項、あるいは10条といった形で明記してはどうか」と提唱した。首相の提案とも似通う持論は、代表選では封印する構えだ。

 憲法改正議論については両氏とも一定の前向きな姿勢を示す。前原氏は「政権を目指す政党なら議論は堂々としたらいい」と訴え、枝野氏は衆院解散権の制約が検討の対象になるとの考えを示している。