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インディ500を制覇した初めての日本人 佐藤琢磨は勝つための準備ができていた

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インディ500を制覇した初めての日本人 佐藤琢磨は勝つための準備ができていた

「第1コーナーに380km/hで進入して、しかも時折カウンターステアをあてながらコーナーを立ち上がっていく。あのスピードでステアリングを修正するなんて、信じられませんでした」

ちなみに、インディ500の初開催は自動車が発明されてまだ間もない1911年、なんと明治44年のことだ。現在も続くモータースポーツイベントとしてはもっとも長い歴史を誇る。決勝日の観客数は35万人を軽く超えるため、「地球上でもっとも大規模なスポーツイベント」とさえ言われる。日本やヨーロッパでの知名度はさほど高くないが、その歴史、競技の厳しさ、そしてアメリカ国内の注目度は、我々の想像をはるかに超えるレベルなのだ。

私財をなげうって契約金を調達

それだけに、元F1ドライバーといえども実力派のチームと契約するのは容易ではなかった。しかし、「自分の未来はインディカー・シリーズにしかない」と心に決めていた琢磨は私財をなげうって契約金を調達し、中堅どころのKVレーシングからデビューを果たす。しかし、チームの実力不足もあって好成績を残すにはいたらず、2012年にはレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング、2013年にはAJフォイト・レーシングへと移籍、同年の第3戦ロングビーチで優勝したことを除けば、輝かしい経歴に見合った成績は残せないまま月日は過ぎ去っていった。

けれども、”No Attack, No Chance”を標榜する琢磨の積極的な姿勢、スピードへの対応力、そしてマシン開発能力の高さは徐々にインディカー界でも知られるようになり、デビューから8年目の2017年、名門チームのひとつとされるアンドレッティ・オートスポーツへの移籍を果たした。

念願のインディ500制覇

アンドレッティを選択した理由を、琢磨はこう説明する。   

「移籍先として選べるチームはいくつかありましたが、パッケージ的にシリーズ・チャンピオンを狙うのは難しい状況でした。ただし、アンドレッティはインディ500で多くの実績を残していて、2016年には1-2フィニッシュも果たしています。だから、2017年はシリーズ・チャンピオンではなく、最初からインディ500狙いでアンドレッティに移籍したのです」

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