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変幻自在の天才肌芸人、ロバート秋山 憑依芸は、まだまだ続く

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変幻自在の天才肌芸人、ロバート秋山 憑依芸は、まだまだ続く

「いまでこそ僕がやってるって認知されましたけど、(連載が)始まって1年ぐらいは、ロバート秋山という情報も本当にちっちゃくしか載せてなかったので、読んだあとで気づいた人たちから『何だよあれ、吉本の芸人かよ』みたいな苦情がよく届いていたらしいです。それはまあ、ありがたいというか、だませたんだっていううれしさになりましたけど」

筆者がようやく気づいたのは、フォトグラファーがかつて撮ったというアイドルなどの名前もまったく架空のものになっていたからだ。これは実在の人名を出すと「醒めてしまうから」だという。

同様に、登場するクリエイターたちの職業も、普通のコントに出てくるような医者や警察官などは避け、ちょっとずらしている。

「たとえば、医者ではなくメディカル・チームドクターとか、カメラマンじゃなくてアース・フォトグラファーをやるとか、自分の想像のつかないところをやってますね」

いわゆる“あるあるネタ”は、誰もが知っているところからつくられる。しかし秋山は自分でもよく知らないところから、“あるある”を見つけようとしているのだ。これはいままでにない方向性の笑いともいえる。

クリエイターのインタビューは、動画で流すためカメラも回しながら最低3時間は収録する。もちろん話すことはすべて即興で、事前の下調べもあまりやらないという。それにもかかわらず、その職業の人がたしかに口にしそうな言葉が出てくるからすごい。たとえば、ジェネラルCGクリエイターの回での「自分自身が飛び出していないのに、飛び出した作品ができるわけないじゃないか」という発言など、いかにも名言っぽい。秋山によれば、言い切ることが大事だという。

「言い切って、いかにも嘘じゃないように堂々と言われると、『あ、そうなんだ』と思っちゃうマジックがあるじゃないですか。そういう経験は僕にもあって。雑誌で密着取材やライブの記事を書いてくださったときに、ポロッと言ったことが太字になってたんですね。自分ではそんな深いことを言ったつもりじゃないのに、太字にすることで何かカッコつけた感が出てくるというか。そういう名言みたいなものって、狙っていけばいくらでも言えるなって思ったんです」

これにはライターとして図星を指された。たしかに相手の何気ない発言を、さも意味ありげにとりあげるということは筆者もやりがちだ。秋山はそれを逆手にとって笑いにしてみせたのである。

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