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世界の「格闘技」のルーツは日本にあった--谷川貞治がたどるファイターたちの系譜

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世界の「格闘技」のルーツは日本にあった--谷川貞治がたどるファイターたちの系譜

 星の数ほど流派・団体がある格闘技・武術。いったいどこから始まり枝分かれし、今日の形に発展したのか。かつて『格闘技通信』の編集長を努め、新異種格闘技『巌流島』を現在プロデュースする谷川貞治氏が、その長い格闘技・武道の歴史を紐解く。

 文・谷川貞治

 アントニオ猪木vsモハメド・アリ戦

 格闘技は一流一派

 格闘技、武術というものは、個人種目なので、基本的に一流一派でそれこそ数え切れないほどの流派が存在する。日本だけでも何千の流派・団体があるので、その歴史を説明するには、一冊の本でも足りないだろう。

 そこで基本的にここではアマチュア格闘技(武道)とプロ格闘技の成り立ちを簡単に説明しておきたい。

 そもそも、武術というのは、実戦(昔でいう戦、現代でいうストリートファイト)で、いかに相手を殺して身を守るのか、そのための術として研究されてきたものだ。その大前提には剣などの武器術があった。しかし、近代になり、武器での殺し合いが法律的に禁止されるなかで、徒手による武術が発展する。そこに西洋の「スポーツ」という概念が加わり、さらに単なる殺し合いの術では社会的に認められないので、精神性や哲学を盛り込んで武術が「武道」に発展してきたという経緯がある。

 こうした「武術のスポーツ化」の先駆者が柔道を作った嘉納治五郎である。東大出身で教育者であった嘉納は、古流柔術に精神性や哲学を盛り込み、柔道(講道館柔道)というもの確立した。さらに東京教育大学の学長時代には、柔道のできる学生に教員の免許を与えて全国に派遣、これにより一気に学校体育としての「柔道」が全国区になっていたのである。

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