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百貨店の未来はどこに!? 残るべきサービスとは? GQ編集長と三越伊勢丹HD・IT戦略担当長が対談

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百貨店の未来はどこに!? 残るべきサービスとは? GQ編集長と三越伊勢丹HD・IT戦略担当長が対談

 北川:お客さまが相談したくなる販売員は、まさに、私たちがいま、とても大事に考えていることです。百貨店では“おもてなし”がとても重要です。鈴木編集長と僕が親しい関係であればこそ、「この新作をお勧めします」と提案できますが、販売員とお客さまのあいだにそういう関係がないところで、さまざまなテクノロジーを活用したとしても、信頼されている販売員にはかないません。テクノロジー側があれこれ勧めるのは、それはそれで役に立つとは思いますが、たんなるお節介に堕する危険もあると思います。

 鈴木:おっしゃるとおりですね。では、ショッピング体験にとってテクノロジーはどんな寄与をなし得るとお考えですか?

 北川:「私がいま知っておくべきことを教えてほしい」とか、「私の知識の上をいくようなことを教えてほしい」というような場合には、テクノロジーは役に立つと思います。

 鈴木:いわゆる““レコメンデーション”ですね。お店が僕の購買履歴や属性などのデータを集積して、そこから類推される嗜好や製品を販売員の皆さんが共有する--。ECサイトでは前に僕が買ったシャンパーニュと似たようなものを勧めてきたり、たとえば吉田健一の本を買うと、それならこれも読んではどうでしょうなどと勧めてきますが、なじみのない販売員もテクノロジーを活用すれば、自信をもって接客できるわけですね。

 北川:「テクノロジーはよく分からん」という人にも、「私はこういうのがほしかったんだよ!」と言ってもらえるようなシステムを作らないといけませんね。

 鈴木:その一方で、情報システムがお勧めする商品は、勧められる人物にしてみれば、えてして想定内であることも多い。ところが、「この本を買おう」という気持ちで本屋さんに行くと、思っていた本ではなくて別の本を買って帰ったりすることがありますよね。それこそ「想定外」の出合いが本屋、つまり「ブリック&モルタル」の実店舗にはあるわけです。だからこそ、本屋さんの棚を見て回ることには、他に代えがたいひとつの体験価値がある、といえる。「“人格的な接触”を排除したところでも成立するコミュニケーション」はそれとして有用ですが、同時に「実店舗での買い物という行為を通して得るラグジュアリーな、一種“想定外”の体験」の意義もまた、ここで強調しておきたいと思います。

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