記事詳細
F1チームの枠を超えハイテク企業へと変身 総帥ロン・デニスが語る今後のマクラーレンとは
マクラーレンにとってF1がすべての求心力であるのは間違いない。しかし超ハイテク企業に進化した今、ロン・デニスの視線は新たな地平を見据えている。ウォーキングでインタビューした。

Photos: Darren Heath Words: Shogo Hagiwara
Ron Dennis
ロン・デニス
マクラーレン・テクノロジー・グループCEO
モータースポーツ界随一の革新者としてその名を知られ、F1史上もっとも成功したチームプリンシパル。マクラーレンをほぼ独力で一大ハイテク企業グループへと育てあげた。
単なるF1チームを超えた存在、マクラーレン
GQ Japan(GQ):マクラーレンはF1チームの枠を超えて進化し、イギリスを代表する、超ハイテク企業へと変身を遂げました。
ロン・デニス(RD):F1は、マクラーレンの事業活動の中心に常にあります。私たちはこれまでの50年間、F1でレースをしており、続くこれからの50年も同様にレース活動を続行していきます。私が、1980年にこの会社を引き継いだとき、総従業員は約50人で、全員がF1関連の仕事に従事していました。現在、3300人以上のスタッフが働いていますが、そのうち約2350人は、F1と直接関係のない分野の事業に取り組んでいます。
この事実は、マクラーレンという事業体がより良い方向に進んでいることを示しています。もはや単なるF1チームではなく、予測分析、医療、輸送、そしてもちろん自動車産業といった多様な分野で新たな境地を開拓する、テクノロジー企業の強力な集合体へと進化した証なのですから。マクラーレン・テクノロジー・グループの誕生です。