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【五十嵐浩司のお蔵出し秘密ベスト10!!】(4)ガンプラビルダーに影響与えた「ラストシューティング」(ガンダム)

コラム

【五十嵐浩司のお蔵出し秘密ベスト10!!】(4)ガンプラビルダーに影響与えた「ラストシューティング」(ガンダム)

更新 okt1701110001

 劇場映画『機動戦士ガンダム』三部作のポスター用に描かれたイラストは、大河原邦男氏の仕事の中でも、ひときわインパクトを残すものとなった。そこに描かれたモビルスーツは、映像やアニメーション専門誌に載っているものとは“解像度”が違っていたのである。

 この場合の解像度の違いとは、ガンダムやザクに描きこまれた、映像には見られないパーツやマーキングのことだ。大河原氏は、映像に登場するメカニックが実在するとしたら……?という発想のもとで、実在の兵器を想起させるディテールやカラーリングをモビルスーツに施していった。

 これら大河原氏の想像力から生まれたリアリティが加わったメカニック群は、当時のガンプラビルダー(ガンプラ作りを楽しむ人)に多大な影響を与える。何しろ、自分の好きな形に改造することを、オリジナルデザイナーの大河原氏が自ら提案したのだから。そこにインスピレーションを得たビルダーたちによって、ガンプラの世界は確実に広がっていく。

 1970年代、大河原氏の仕事の中で決して高くなかったイラストの比重は、劇場映画『機動戦士ガンダム』公開以降、飛躍的に上がっていった。その一つの頂点となるものが『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』のポスター用に描かれた、ガンダムの「ラストシューティング」である。このイラストは、1981(昭和56)年12月17日付けの朝日新聞夕刊(関東版)にカラー10段組みで掲載され、アニメーション史上に残るパブリシティ広告となった。このラストシューティングの原画は本展覧会で展示されているので、ぜひご覧になっていただきたい。(アニメーション研究家 五十嵐浩司)

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