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【学芸員リレーコラム】(3)「ガンダムF91」富野監督の修正指示が入ったデザイン画も

コラム

【学芸員リレーコラム】(3)「ガンダムF91」富野監督の修正指示が入ったデザイン画も

更新 okt1612090001

 第1回のコラムでは約400点という展示資料総数を出発点にした。今回は展示作品タイトル数から話を始めよう。
 『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』『機動戦士ガンダム』をはじめ、本展で扱う作品タイトルは50点を超える。来場されるのは「『○○』が見たい!」というような「目当てのタイトル数点」(おそらくリアルタイムで熱心に視聴していた作品が主だろう)を目的にしている方が大半で、さまざまな思い出とともに鑑賞されているのをひしひしと感じる。

 数あるタイトルの中でも、来場者が自然と足を止めてしまうものがある。『機動戦士ガンダムF91』(1991)のデザイン案群だ。最終デザインに到達するまでにいくつかの案が大河原氏から提案されているのは他作品と同様だが、本作品については安彦良和氏によるスタイリング提案のためのデザイン画、そして富野由悠季監督からの修正指示が入ったデザイン画を並べて展示している。両氏とも、共に最初の『ガンダム』を作り上げた盟友である。書かれた忌憚(きたん)のないコメントからは、アニメ制作における共同作業の確かな痕跡や、舞台裏を感じることができる。来場者にとっても、そこには新鮮な驚きがあるのではないだろうか。

 50点に及ぶ作品タイトルのうち、馴染みの浅い作品があるのは当然だろう(何せ大河原氏のキャリアは40年を超えるのだ)。しかし本展は新たな大河原デザインとの出会いの場でもある。ここでしか見ることのできない“中間成果物”とともに、思い出を、そして新たな驚きを語り合いながら楽しんで欲しい。

(北九州市漫画ミュージアム学芸員:石井茜)

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