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ソプラノの佐藤美枝子「音楽に秘めた思いを届けたい」 記念リサイタル

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ソプラノの佐藤美枝子「音楽に秘めた思いを届けたい」 記念リサイタル

プーランクのオペラ「人間の声」では約40分の一人芝居で、恋人に別れを切り出された女性の心情をつづった(c)藤本史昭、写真提供:横浜みなとみらいホール プーランクのオペラ「人間の声」では約40分の一人芝居で、恋人に別れを切り出された女性の心情をつづった(c)藤本史昭、写真提供:横浜みなとみらいホール

 一つ一つの言葉を丹念に磨きあげて命を吹き込み、きらめくようなソプラノの歌声で情趣あふれる世界を映し出す佐藤美枝子が、チャイコフスキー国際コンクール優勝20周年記念リサイタルを10月1日、東京・四ツ谷の紀尾井ホールで開催する。「目の前にはいつも、こうありたいと思う理想や目標があり、ただそれに向かって走り続けてきた20年でした」と振り返る佐藤は、ドニゼッティのオペラ「ランメルモールのルチア」〈狂乱の場〉など絶大な支持を集めてきた作品とともに、舞台で初めて披露する歌曲、オペラアリアもプログラムに並べ、新たな境地を開こうとしている。

 武蔵野音楽大学で学んだ佐藤はイタリア留学中の平成10年、若手音楽家の登竜門として世界が注目するチャイコフスキー国際コンクールの声楽部門で日本人として初めて優勝した。同コンクール声楽部門で3位以上となった日本人は今も佐藤だけ。高度な技巧と卓越した表現力で会場を沸かせての栄冠だった。

 最終選考では演奏時間が15分以上に及ぶ〈狂乱の場〉を取り上げ、兄に恋人との仲を引き裂かれて苦悩と混乱の底に突き落とされたヒロインのルチアを描き出し、壮絶な表現に審査員全員が満点をつけた。

 「名高いコンクールの優勝者として恥ずかしくない歌手でありたいと、今も新人のような気持ちで勉強を続けています。佐藤美枝子がヒロインのルチアを歌っているのではなく、ルチアその人が舞台上にいるような表現をしたいと、いつも追い求めています」

 佐藤の声質はソプラノの中でも軽やかで、高度な技術を駆使して玉を転がすように高音を連ねる華麗な作品で大きな魅力を発揮する。〈狂乱の場〉はその代表的な作品だが、佐藤は深みのある中低音の充実に努め、まろやかで、より重い声が求められる作品にもレパートリーを広げてきた。今年2、3月には團伊玖磨のオペラ「夕鶴」つう役を演じて大きな収穫を得た。

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