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映画「2重螺旋の恋人」 双子めぐる心理サスペンス

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映画「2重螺旋の恋人」 双子めぐる心理サスペンス

「ピンチに陥ったら精神の逃げ場が必要だ」と語るフランソワ・オゾン監督(高橋天地撮影) 「ピンチに陥ったら精神の逃げ場が必要だ」と語るフランソワ・オゾン監督(高橋天地撮影)

 もし恋人と容姿も職業も同じ双子が現れたら…。フランスのフランソワ・オゾン監督(50)の新作「2重螺旋(らせん)の恋人」(東京・ヒューマントラストシネマ有楽町などで全国順次公開中)は、思いがけず双子との恋愛にのめり込んだ女性の心理を描く心理サスペンスだ。

 オゾン監督は「本作はいわば、ヒロインのクロエ(マリーヌ・バクト)の内面をのぞく映画。観客は彼女と一緒に不安定な心理を体験してほしい」と話す。

 米作家、ジョイス・キャロル・オーツの短編小説を原作に、自身が脚色した。

 双子について、子供の頃から「なぜこの世にうり二つの人間がいるのか」と興味を持っていた。しかし、描きたかったのはクロエが双子と過ごす二重生活だ。「恋人と強い絆で結ばれているつもりでも、恋人と容姿が似た人と恋に落ちてしまえば変化が起こる。彼女は2人の間を行き来し始めるのです」

 やがてクロエは2人と逢瀬を重ねるうちに混乱し、2人を区別することはおろか、現実と幻想の判別もできなくなる。「これはクロエの無意識を表現したもの」とオゾン監督。

 登場人物が鏡に映る場面が多用されたり、双子がそれぞれ働く診療所の前に、どちらもらせん階段が配置してあるなど趣向を凝らした映像が観客の心理まで不安定にしていく。

 本作は双子の見分け方をはじめ、観客の想像力を試すさまざまな謎解きが楽しめる。オゾン監督は「少なくとも3、4回見れば必ず謎が解けるように編集しました。粘り強く確認してほしい」と語った。(高橋天地)

                   ◇

 【あらすじ】原因不明の腹痛に悩むクロエ(マリーヌ・バクト)は穏やかな精神分析医のポール(ジェレミー・レニエ)の診療を受け、痛みは解消される。2人は恋に落ち、同居を始めるが、クロエは街でポールの双子の兄で、やはり精神分析医のルイ(同)に出会い…。

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