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野村万作の狂言「楢山節考」 自然体、無心で演じる「おりん」

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野村万作の狂言「楢山節考」 自然体、無心で演じる「おりん」

「死や老いを考える機会になれば」と話す野村万作 「死や老いを考える機会になれば」と話す野村万作

 人間国宝の和泉流狂言方、野村万作(86)が、世田谷パブリックシアター(東京都世田谷区)の恒例シリーズ「狂言劇場」の特別版で、狂言「楢山節考(ならやまぶしこう)」に主演する。

 原作は、深沢七郎が昭和31年、姥捨(おばすて)伝説を元に発表したベストセラー小説。万作は翌年、26歳時に新作狂言として初演、58年を経て平成27年、84歳で念願の再演を果たした。以後、せりふのない主人公おりんを、動きだけで演じ続ける。

 「おりんは69歳の設定ですから今、自然体で無心にできる。言葉がないからこそ、手足や指先の動き一つ一つに人生を表したい」

 口減らしのため自らの歯を折り、最期は息子に背負われ入った山で、雪に埋もれていくおりん。「自死や介護問題を重ね、ごらんになる方もいらっしゃるでしょう。能・狂言を越境し、現代を描く演劇と感じ取っていただけたら」

 万作は20代、保守的な能・狂言界への強い不満をたぎらせていた。「狂言を認めてほしいと必死だった」。原作を読み、ギタリストとしても活動していた深沢と会うため東京・日劇ミュージックホールの楽屋を訪ね、狂言化の許可を依頼した。深沢は、初対面の狂言師の熱意を受け止め、その場で快諾したという。「自分たちで作った、最初の本格的新作となりました」

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