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【「西郷どん」交友録】西郷の人生を決定づけた島津斉彬 「三百諸侯一」の傑物 松平定知

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【「西郷どん」交友録】
西郷の人生を決定づけた島津斉彬 「三百諸侯一」の傑物 松平定知

NHK大河ドラマ「西郷どん」で、島津斉彬を演じる渡辺謙 NHK大河ドラマ「西郷どん」で、島津斉彬を演じる渡辺謙

 これは斉彬派の失敗に終わるが、これに怒った斉興は首謀者13人を切腹、50人を超える同調者を遠島処分にした。切腹者の中には赤山靱負(ゆきえ)という西郷の親戚(しんせき)がいた。赤山を西郷は尊敬していたから、その赤山が信奉した斉彬を、西郷もまた絶対視した。

 あの「郡方書役助」時代の自分の論文を、雲の上の存在の斉彬に認められたことに加えて、この「お由羅騒動」で、西郷は、はっきり「斉彬派」になる。

 やがて島津家の家督相続は、時の老中、阿部正弘らの仲介で、遅まきながら「斉彬」で決着した。満を持していたかのように、斉彬は反射炉や溶鉱炉の建設といった重工業はじめ、ガス灯やガラス工芸などの分野にも幅広く活動を開始した。

 政治的には、自分を藩主に推薦してくれた松平春嶽(しゅんがく=福井藩主)、伊達宗城(むねなり=宇和島藩主)、山内容堂(ようどう=土佐藩主)らと一緒に「公武合体派」を形成し、病弱な13代将軍、徳川家定の次に、一橋慶喜(よしのぶ)を推す立場をとった。

 そしてここで、「薩摩」の西郷は、「全国区」デビューを果たすのである。

 ■松平定知(まつだいら・さだとも) 1944年、東京都生まれ。早稲田大学を卒業後、69年にNHK入局。看板キャスターとして、朝と夜の「7時のテレビニュース」「その時歴史が動いた」などを担当。理事待遇アナウンサー。2007年に退職。現在、京都造形芸術大学教授、東京芸術学舎教授などを務める。著書に『松平定知朗読「サライ」が選んだ名作集』(小学館)、『謀る力』(小学館新書)など。

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