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【シネマプレビュー】早春デジタル・リマスター版

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【シネマプレビュー】
早春デジタル・リマスター版

イエジー・スコリモフスキ監督「早春」の一場面 (C) 1971 Maran Films & Kettledrum Productions Inc. All Rights Reserved. イエジー・スコリモフスキ監督「早春」の一場面 (C) 1971 Maran Films & Kettledrum Productions Inc. All Rights Reserved.

 ポーランドの巨匠、イエジー・スコリモフスキ監督(79)が、1970年にロンドンとミュンヘンで撮影した青春映画で、日本では72(昭和47)年の劇場公開以来、ソフト化もされず、伝説のカルト作品として長く上映が待たれていた。今回、デジタル技術を駆使して修復が行われ、思春期の甘酸っぱい恋模様が鮮やかによみがえった。

 公衆浴場で働き始めた15歳のマイクは、年配の女性客らの誘惑に戸惑いつつ、やがて年上の同僚、スーザンの魅力にはまっていく。婚約者がいながら別の男性ともつきあっているスーザンを求めて、夜の繁華街をさまようが…。

 この繁華街の場面が秀逸で、ナイトクラブとホットドッグの屋台を何度も行き来する動揺ぶりがテンポよく描かれ、笑いにあふれているのに、なぜか物悲しい。白い肌と真っ赤な血といった色彩のコントラストも見事で、事実上の国外追放中だったスコリモフスキ監督が、自由に撮れる喜びを爆発させたような勢いに満ちている。巨匠の幅の広さを改めて認識した。13日、東京・恵比寿ガーデンシネマで公開。1時間32分。 (藤)

 ★★★★(★5傑作 ★4見応え十分 ★3楽しめる ★2惜しい ★1がっかり ☆は半分)

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