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【ステージ 芸】中車「忠太郎」 僕の実人生そのもの、玉三郎「おはま」 思いは“瞼の息子” 瞼の母 十二月大歌舞伎

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中車「忠太郎」 僕の実人生そのもの、玉三郎「おはま」 思いは“瞼の息子” 瞼の母 十二月大歌舞伎

番場の忠太郎は「役というより実体験そのもの」と話す市川中車(飯田英男撮影) 番場の忠太郎は「役というより実体験そのもの」と話す市川中車(飯田英男撮影)

 中車はかつて猿翁を、巡業先まで花束を持って突然訪ねた。当時は猿翁に受け入れられなかったが、その後、猿翁が泣きながら「義経千本桜 川連法眼館(かわつらほうげんやかた)」の舞台を勤めたと聞いた。狐(きつね)の親子の情を描く、猿翁の当たり役だ。

 「(当時、猿翁と)一瞬だけ会って、その後会わなくなり今、(瞼の母を)歌舞伎でやらせていただける。それは僕だけが持っている稀有(けう)な体験です。そういう人間が忠太郎を演じると、何かは出ると思う」

 今年8月、歌舞伎座で同じ長谷川作品「刺青奇偶(いれずみちょうはん)」に主演した経験も、プラスに働く。やくざ渡世に生きる男の侠気(おとこぎ)が、「刺青奇偶」では病弱な女房に、今回は母親に向かう。朗読劇の台本への書き込みを読み直し、また猿翁が忠太郎を演じた映像資料も参考に、役作りに生かす。

 一方、玉三郎がおはまを演じるのは5年ぶり2度目。初演時、息子を追い返さなければならない、母親の苦しい胸のうちが理解できたと話す。

 「この物語は“瞼の息子”でもある。忠太郎を初見で息子と気付いても、妹娘の縁談もあり、渡世人の息子の裏側に何(の魂胆)があるか分からない。『お前は違っているよ』と言わねばならない」

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