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【花形出番です】大きくしたい祖父の名跡 新内節冨士元派七代目家元・新内多賀太夫(34)(2)

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【花形出番です】
大きくしたい祖父の名跡 新内節冨士元派七代目家元・新内多賀太夫(34)(2)

新内多賀太夫さん 新内多賀太夫さん

 4月30日に国立劇場大劇場(東京都千代田区)で、七代目家元として新内多賀太夫襲名披露公演を行いました。同時に父(人間国宝の新内仲三郎)も、四世宗家を継承しました。

 多賀太夫は祖父が名乗った名跡。祖父は戦争で思うように活躍できなかった。だから僕が名前を大きくしたい。僕が幼いころに亡くなったのですが、とてもかわいがってくれ、いたずらをしても怒らないほどでした。

 その名を継ぐ公演には長年、お付き合いのあるみなさんがご出演くださった。歌舞伎界から松本幸四郎さん、市川染五郎さん親子、尾上菊之助さん。俳優の名取裕子さんや風間杜夫さん、津川雅彦さんも花を添えてくださった。新内の代表曲と、父と僕が作曲した作品を並べ、これまでの歩みをたどれたと思います。何より全席完売したことが、うれしかった。

 口上では感謝の気持ちと、家元としての心構えを「気韻生動(きいんせいどう)」という言葉で表しました。書画などで、気品が生き生きと感じられるさまを言う表現ですが、僕も新内を化石にせず、現代に生きたものにしたい。

 僕自身、4~5歳で新内にしびれたんです。家族で訪れた伊豆の旅館の竹やぶに、たまたま三味線の音が流れてきた。竹の揺れるサササという音と三味線、そこに光も重なり、すごくきれいだった。後で判明したのですが、その三味線は父の新内流しだったんです。生き生きした表現は、子供の心も動かす。それから今日に至っています。(談)

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