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【鑑賞眼】藤原歌劇団 ベッリーニ:歌劇「ノルマ」日本のオペラ上演史に残る快挙

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【鑑賞眼】
藤原歌劇団 ベッリーニ:歌劇「ノルマ」日本のオペラ上演史に残る快挙

マリエッラ・デビーア(右)の気迫のこもった歌唱が観客を魅了した(公益財団法人日本オペラ振興会提供) マリエッラ・デビーア(右)の気迫のこもった歌唱が観客を魅了した(公益財団法人日本オペラ振興会提供)

 ベッリーニの「ノルマ」は演劇的、声楽的に初期ロマン派イタリア歌劇の頂点を築くだけに、うかつに手を出すのは危険。マリエッラ・デビーアが65歳になる2013年まで初役を控えたのも、ベルカント・ソプラノの最高峰に立つ矜持(きようじ)と見識あってのことだろう。

 藤原歌劇団が日生劇場、びわ湖ホールと共同制作したこのたびの上演は、同歌劇団がデビーアと長年築いた深い絆の証しであるとともに、日本のオペラ上演史に残る快挙と言っても過言でない。

 演出は粟國(あぐに)淳。舞台中央に樫の樹の幹をイメージさせる巨大な装置を据え、これが扉となって場の設定を開示することで静的な設定に終始しがちな本作に視覚的変化をもたらし、想像力をかき立てた。

 初日のデビーアは「清らかな女神よ」にブレス(息継ぎ)が多く感じられたが、劇的局面での気迫に満ちた歌唱と心理描写に傑出し、凛(りん)とした舞台姿でも他を圧倒した。

 アダルジーザ役のラウラ・ポルベレッリも感情表現に秀で、重唱におけるデビーアとの声のバランスも抜群。笛田博昭が豊麗な発声でポッリオーネ役の声楽的特質を浮かび上がらせ、バスの伊藤貴之もオロベーゾを重厚に演じた。

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